これだけは知っておきたい“労働保険と社会保険”

 梅雨入りも間近な6月となりました。
 毎年、6月から7月頭にかけて、労働保険の保険料を算定・納付し、社会保険の標準報酬月額の見直しを行う時期となっています。
 今回は、労働者を雇用し、事業を拡大していくためには切り離せない、労働保険・社会保険の制度についてご案内します。



1.労働保険の概要

  1. 労災保険と雇用保険の2種類に分かれますが、どちらの保険も基本的に労働者を1人でも使用している事業所は適用事業所となります。労災保険は労働者であれば、日雇や1時間勤務であっても対象者とされます。一方雇用保険は、週所定労働時間が20時間以上かつ31日以上雇用される見込みの労働者が、被保険者となります。

  2. 労働者の災害・失業を補償するための保険ですので、会社役員や個人事業主とその家族は基本的に加入できません。
    ただし、労災保険については、一定の要件を満たし手続きを行った場合には、会社役員や個人事業主も加入できる場合があります。加入をご検討の場合はお問い合わせください。

2.労働保険近年の改正

  1. 平成30年度の雇用保険の保険料率は、昨年と変更はありません。

  2. 労働者負担
    事業主負担
    雇用保険料率
    一般の事業
    3/1000
    6/1000
    9/1000
    農林水産業等
    4/1000
    7/1000
    11/1000
    建設の事業
    4/1000
    8/1000
    12/1000

  3. 平成29年1月1日から、65歳以上の高齢者も週所定労働時間や31日以上の雇用見込みといった条件を満たせば、雇用保険の被保険者とされるようになりました。
    経過措置として、平成31年度までは保険料の徴収は免除されていますが、65歳以上の労働者についても原則雇用保険加入が前提となっていますのでご注意ください。

3.社会保険の概要

  1. 健康保険と厚生年金保険は、法人の事業所と常時5人以上の従業員がいる個人事業所(一定のサービス業・農林水産業は除く)は強制的に加入しなければならないとされています。

  2. 健康保険と厚生年金保険では、社会保険適用事業所に属する者であれば、通常の労働者はもとより、代表取締役や個人事業主とその家族も被保険者となります。ただし、労働時間が通常の3/4未満のものや常用雇用に該当しないもの(日雇い)などは、被保険者になりません。

4.社会保険の近年の改正

  1. 平成28年10月1日から、一定規模以上(被保険者数が常時500人を超える事業所)の事業所では、これまで社会保険に加入できなかった短時間の労働者も一定の要件を満たせば被保険者となることとされました。

  2. 平成29年4月1日以降は、一定規模以外の中小事業所でも労使合意に基づいて申し出をすれば、短時間労働者を被保険者とすることができるようになっています。



*労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届の手続きの内容など、分からないことがあればお気軽にお問合せください。

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