贈与税について



いよいよ確定申告の時期が迫ってまいりました。
確定申告といえば所得税・住民税・消費税の申告時期と思われがちですが、実はもう一つ、贈与税の申告時期でもあります。
聞いたことはあるけれど意識したことはあまりない税金である贈与税について、今回はお話しさせて頂きます。



贈与税とは?


そもそも贈与税とはどのような税金なのでしょうか?贈与税は「個人から財産をもらったとき」に納める税金です。
お給料をもらったり事業でもうかったりしたときに「所得税」を納めるように、対価を払わずに何かを貰った場合は「贈与税」を申告納付する必要があります。
「個人から」ですので、法人から貰った場合には贈与税ではなく所得税がかかります。


申告方法は?


所得税と同じように、納税者が自分で税金を計算し、納付します。
平成30年中にもらった財産に対しては、平成31年2月1日から3月15日までの間に申告納付しなければなりません。


税金はどれくらい?


贈与税の税率は所得税と同じく累進課税方式です。もらった財産の額により10%~55%の税率で計算されます。
ただし、もらった税金が年間110万円以下の場合には贈与税は課されません。
この場合の「110万円」は「一人の人間が世界中のすべての人から貰った財産の合計額」です。例えば、同じ年に父親から60万円、母親から60万円を貰った場合は、貰った合計額120万円から控除額110万円を差し引いた残額10万円に対して税金がかかります。


絶対払わないとダメ?


贈与税は条件によって納付しなくて済む場合があります。

  1.  「相続時精算課税」の選択
  2. 「相続(のときに)精算(して)課税(されることを選びます)」という制度です。

    この選択を行うことで、選択した贈与者からの贈与は生涯で2500万円までは贈与税を納める必要がなくなります。ただし、2500万円の枠を使い切った場合は20%の税率で贈与税を納める必要があります。また、その際には110万円の控除額はありません。

    また、この選択をしてから後にもらった財産は全て「相続の前受け」とみなされ、贈与者の相続発生時にこれまでもらった財産をすべて合算して相続税を計算する必要があります。その際は支払い済みの贈与税は相続税額の前払いとみなされますので、相続財産額によっては還付を受ける可能性もあります。

  3.  住宅取得資金の非課税
  4. 父母や祖父母から住宅取得のための資金の贈与を受けた場合は、一定の要件を満たせば一定の金額まで贈与税が非課税となります。

    平成30年中に贈与を受けている場合は、省エネ等住宅を取得した場合は1200万円、それ以外の住宅は700万円までは非課税となります。

    また、上記の「相続時精算課税」を組み合わせることで、課税時期をずらすことができます。

    消費税が10%である場合の非課税限度額
    新築等の契約締結日 省エネ等住宅 それ以外の住宅
    2019年4月1日
    ~2020年3月31日
    3,000万円 2,500万円
    2020年4月1日
    ~2021年3月31日
    1,500万円 1,000万円
    2021年4月1日
    ~2021年12月31日
    1,200万円 700万円

    消費税が10%以外の場合の非課税限度額
    新築等の契約締結日 省エネ等住宅 それ以外の住宅
    2018年1月1日
    ~2020年3月31日
    1,200万円 700万円
    2020年4月1日
    ~2021年3月31日
    1,000万円 500万円
    2021年4月1日
    ~2021年12月31日
    800万円 300万円

  5.  教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
  6. 祖父母などが30歳未満の孫などに教育資金として贈与した場合は、受贈者ごとに1500万円までが非課税となります。

    この1500万円は学校等の学費以外にも使用でき、給食費や修学旅行費、教材費はもちろん、学習塾やスポーツクラブ、お稽古ごとの月謝、通学定期や留学の渡航費など、また施設によっては認可外保育所の保育料にも充てることができます。(学校教育法に定められた学校以外に支払うものは500万円が限度)

    ただし、贈与は現金等を直接渡すのではなく金融機関等に預け入れる、有価証券を購入する等金融機関を通す(教育資金口座を開設)必要があり、教育支出を行った場合はその金融機関等へ領収書を提出する必要があります。

    また、受贈者が30歳に到達したなどで教育資金口座に係る契約終了した際は、贈与した金額のうち教育資金の支払にあてなかった部分については、通常の贈与として贈与税を計算し申告納付する必要があります。

  7.  結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
  8. 父母などが20歳以上50歳未満の子供などに結婚・子育て資金として贈与した場合は、受贈者ごとに1000万円までが非課税となります。

    ただし、贈与は現金等を直接渡すのではなく金融機関等に預け入れる、有価証券を購入する等金融機関を通す必要があり、支出を行った場合はその金融機関等へ領収書を提出する必要があります。

    また、受贈者が50歳に到達した場合などにおいて贈与した金額から支出した残額を控除した金額に残額があるときは、その残額に贈与税が課されます。受贈者が50歳に到達するまでにその贈与者が死亡した場合に、その死亡時において贈与した金額から支出した残額を控除した金額に残額があるときは、その残額は相続財産となり相続税の対象となります。

  9.  注意
  10. 上記の非課税制度は全て「申告期限内に適正に申告を行うこと」が要件となっており、書類提出前に贈与を行うと不適用となる場合もあります。贈与を行う場合は要件をきっちり確認してから行ってください。



また、そもそもの話ですが、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から必要な都度渡される生活費や教育費に充てる財産については、常識の範囲内であれば贈与に該当しません。上記の「一括贈与を受けた場合~」というのは、その都度貰うのではなくまとめて貰う場合にのみ該当します。
その他、香典やお歳暮、祝い金・見舞金などについても、常識の範囲内でしたら贈与には該当しません。


結論


贈与税は常識の範囲内の生活費や教育費、社交辞令の金額に対しては課されません。
一括で大きなお金をまとめて贈与する場合には優遇制度がありますが、すべて手順を守って期限内に申告することが必要ですので下調べが重要です。特に金融機関を通すものについては遡って手続きを行うことができませんのでご注意ください。
こんな場合は贈与に該当するのか、どう手続きをすればいいのか。悩まれた場合は是非弊社担当者までご相談ください。一緒に検討させて頂きます。

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